朝の電車には受験生で混雑していた。
昨日の学生さんらは高校の受験生だろうか、互いに問題を出し合ったり、面接の練習の成果を友達に披露したり賑やかだ。
今日隣の席では熱心に医療関係の問題集を解いていた。
ちょっと羨ましい。
自分はそろそろ終活を始める時期が差し掛かっているけど、彼ら、彼女らには未来がある。
一体この先、何が待ち受けているのだろう。
商社マンになりたい、エンジニアになりたい、と将来の夢をもっている輩もいれば、校や大学に進んでからゆっくりと進路をきめる者もいるのだろう。
そう、自分にもそんな時期があったのを思い出す。
無事進学が決まれば、毎日郊外から時間を掛けて通学するのだろうか。
そして学問は勿論、スポーツやサークル活動で充実した日々を送るのだろうか。
人の進む道は分岐を繰り返し、それらは全て一方通行である。
みんなの期待と不安を乗せて電車は走る。